グローイングハウス -ZEH(G2)とV2Hの経年美住宅-
コンセプト
コンセプトは成長や経年美を楽しみながら生活できる空間として、”グローイングハウス”としました。まず、1階に生活機能をすべて集めて、大きなワンルーム空間としました。約27畳の空間は状況や必要な機能に応じて、いろいろなつかいかたをすることができます。内外装の仕上げに無垢の床材や焼杉など、自然素材をつかうことで、時とともに経年美を楽しむことができます。このように、いえのつかいかたをカスタマイズしたり、自然素材を成長させながら、いえを育てていけるようなすまいをイメージしました。
敷地周辺環境と住空間環境
敷地は南東と北東の二つの道路に接しており、南東の隣地は小さな土地の駐車場のため、将来的にも建物が建つ可能性は低いと思われます。よって、旗竿敷地でありながらも南側からの採光条件はよく、二つの道路によって通風条件も良いと思われます。敷地日影図でも南側建物からの敷地内への影の影響が少なく、西側アパートあらの影は落ちるものの、西日をカットする好条件と捉えることもできます。よって敷地の北東部分を基点に建物を北側に配置し、南側からの日射を最大限取得するのが最も効率的なパッシブハウス計画となります。夏場の通風換気は2階のハイサイドライトから煙突効果の自然換気として、就寝時の北西から北の風を室内に取り入れるために、1階の低い位置にウィンドキャッチャ窓を配置する計画とします。
住環境性能
クライアントが住環境性能の高い住宅を希望しており、Ua値やC値の数値希望もありました。設計と環境シミュレーヨンを繰り返すことで、希望の空間と性能とコスト(イニシャルコストとランニングコストの比較検討)を調整しました。その結果、最終的にはUa値0.42でG2基準(Ua値0.46以下)とし、太陽光を4kwをのせたZEHとしました。さらに住宅の新築を機に車をEVへ買換えもされることとなり、V2Hも導入しました。その他としましては、床下エアコンや小屋裏エアコンによる、冬季と夏季のエアコン一台による全館空調も希望されたため、工務店と気密施工を管理して、C値を0.2以下としました。
間取計画
道路の関係から敷地西側がパーキングになるため、西側にエントランスを設置し、水廻りを北側にまとめました。寝室を北東部分に設置してLDK空間とつなぐことで、風配図を参考にした北側からの風をいえ全体に循環させる計画としました。敷地南東部分は採光条件が良いためLDK空間を配置し、軒下にはリビングとつながる屋外デッキ空間を設けました。
□計画概要
所在地:東京都八王子市 用途:戸建住宅 家族構成:夫婦 構造:木造平屋建て