可動本棚の家 -10坪の間取りが変わる住まい-
敷地周辺環境と住空間環境 -10坪の空間を最大限利用する可動空間-
新宿から西に5kmほどの閑静な住宅街に建つ30代夫婦のための計画。築38年鉄骨マンション最上階8階10坪1LDKのリノベーションです。10坪という限られた空間の可能性を最大限に引き出し、多様性のある空間を生み出すことをコンセプトとしました。空間を状況に応じて有効に利用するために、可動本棚や可動間仕切りを組合せることによって、10坪の空間にワンルームから2LDKまで様々な関係性を生み出せる空間としました。
可動本棚と可動間仕切り - ワンルームから2LDKへ -
可動本棚と可動間仕切りを使うことで、10坪の空間を16畳の大きなワンルームから2LDKへと変更することができます。パーティなど多くの人が来る際にはワンルームとし、プライバシーが欲しい場合は個室を作成し、用途やシチュエーションによって間取りを変更します。
可動個室空間 - 引戸や潜り戸と組み合せてアクセスする個室 -
可動家具や可動間仕切りの個室へは家具に設置した潜り戸や、引戸を組み合せることで室内に入ることができる仕組みとしました。個室の内装には黒板塗装や本棚など室の用途を考慮して、つくられています。
書斎のデスクは折りたたみ式のL型天板で、壁面収納下部のスリットに差込んで使用します。書斎は1.5畳の空間でありながら、布団を敷いて寝ることもできます。
可動本棚を引出してつくる寝室スペースへは、可動本棚の潜戸から室内へ入ります。可動本棚のリビング側は本のディスプレイスペースとなっており、その時気になっている本などを飾ることができます。室内側は背表紙が見える通常の本棚となっており、A4サイズの雑誌から小説、DVDやCDを収納できます。
多機能家具 - 内装造作と家具の組合せ -
内装の造作家具にスリットをもうけて、そこに家具としての座面や天板、背板などを組み合せます。ソファーやデスク、ハイカウンタなど、イベント等に合わせて機能を変更することができます。
□計画概要
所在地:東京都杉並区 用途:住居中古マンションリノベーション 家族構成:夫婦 構造:鉄骨造