T o N o S u -都市と住宅をつなげるバッファーゾーン-
敷地周辺環境と住空間環境
敷地はJR三ノ宮駅から徒歩10分の都心でありながらも、徒歩圏に活気のある商店街もある好立地な場所の、14階建てマンションの7階、約80m2のリノベーションになりま す。周辺環境としては南側に2号線があるため、空間的には大きく開かれており、良好な採光が望めるものの騒音の問題も予想されます。物件は角部屋のため、西側にも開 口があり採光はできますが、夏場の西日対策の工夫も必要になってきます。
クライアント要望
クライアント要望 夫は料理人でもあるため、キッチンをオーダーでつくることと、音楽制作のスペースが必要でした。妻はストレッチスペース確保が必須で、リモートワークのためのワークスペースをご要望されました。夫婦はまだ20代と年齢が若いため、将来的フレキシビリティを持った、快適な空間の設計が求められました。
コンセプト
敷地条件や周辺環境、クライアントの要望から北側に水回りと寝室を、既存を極力利用しながらコンパクトにまとめました。その上で、造作家具によって空間を有効利用 しつつ、寝室にコアガリを設けて収納量をアップしました。寝室には音楽制作のワークデスクを設けて、インナーサッシと壁面防音仕様により、弦楽器の演奏ができる程度としました。水まわりを効率化した結果、パウダースペース兼ワークデスクも設置することができました。
残りの部分を住宅と都市の”あいだ”となるような空間としました。”あいだ”空間の南側と西側にバッファーゾーンをつくることで、室内の環境性能を高めることとしました。バッファのための壁面ボーダーの開口を都市と住宅の関係性、環境性能からデザインしました。その結果、都心の喧騒から距離をとりつつも、都市の一部であるような、プライベート巣ペースとなり、抽象的で心地よい空間となりました。